作るものと使う人

ひとくちに「ケアのためのツールを作る」と言っても、そこには様々な人 やシチュエーションが存在します。



ここでは、ものづくりが貢献できるカテゴリとして利用者に着目し、

という3つの分類と、その代表的な事例を紹介します。


1.自助具 「筆圧をかけるためのペンホルダー」

自助具とは、ケアの対象者が利用し、自身の活動を補助するためのツールのこと。身体機能を補うことで自分ひとりでできる行動を増やし、精神的な負担の軽減にも繋がっていきます。

     

たとえば、半身麻痺によりつまむ動作ができないあるユーザーは、うまくペンに筆圧をかけることができず、複写式の重要な書類にサインする際も他者の助けを必要としていました。そこで、手のひら全体を使って腕からの圧力を伝えるためのペンホルダーを作成したことで、ひとりでも文字をかけるようになりました。


2.ケア用品「型抜きサージカルテープ」

ケアの提供者と対象者の間に介在して利用されるツール。身体に直接触れることも多く、治療の根幹を支えるものだと言うことができます。

     

たとえば、点滴などを固定するための医療用テープは、皮膚への不快感や病気の象徴というイメージをもたらすことがあり、とくに子供だとネガティブに捉えテープを剥がしてしまうケースも発生します。そこで、レーザーカッターを用いて動物などの形状を切り抜くことで、ファッション感覚で親しみを持てるものとしました。


3.看護教材 「吸引練習用頭部モデル」

たとえ同居する家族であっても、身体的なケアを施すことはハードルは高いものです。そこで、手技を練習するためのツールを用いて精神面も含めてハードルを下げることを目指します。また、看護学生自身が効率よく現実に即した形で技術を習得するためのツールの作成にも取り組んでいます。

     

たとえば、痰を吸引するためのチューブを挿入することがありますが、どれほどの距離を挿入してよいのかが経験的にわかりづらいものです。半透明の頭部模型に発光する管を通すことで、どのあたりまで管が通っているのかを経験することができるようになります。